写真集発売のお知らせ
- jille8jiji
- 2020年12月14日
- 読了時間: 4分
更新日:2022年2月22日
突然ですが、
私が北海道に移住してから撮ってきた白黒写真の写真集が出版されました。
フランス人のAlexandre Jutard-Verdonが香港・北京を拠点に始めた出版社。
2017年にCEOであるAlexandre(Alex)からメールをもらったことが始まりだった。
「あなたの撮る雪の写真が好きで興味がある。あなたはプロの写真家ですか?何歳ですか?
これまで出版したことはありますか?」など、
突然の質問の多い英語のメールに胡散臭さを感じてしまったのと、
当時慌ただしい生活を送っていたためそこに向き合う気力がなかったので、
今思えばとても距離を置いた返信をしてしまったにも関わらず、
それから一年後の2018年3月、再びAlexから
「横浜で開催されるアートブックフェア『Photobook JP』に出版社として出ています。
もし立ち寄れるようならお待ちしています」と、確か開催日当日にメールが来た。
北海道と横浜の距離感をわかっていないのは仕方のないことで、当然行けるはずはないのだが
一年後にまたこのようなメールをもらえたことが嬉しかった。
そしてまた連絡は途絶え…
今年の2020年5月「Hello, it’s me again 」とAlexから連絡がきた
「あなたの写真を出版したい」と。
彼の出版社から出ている本のセンスの良さやhttps://bromidebooks.com/publications/
彼の熱意を受け止め、
それから何度も何度もメールでやり取りをし、
2020年12月 石渡 珠梨 Ishiwata Juri ・【雪のささやき】Whisper of the Snowが出版された。
この写真集の為にエッセイを書いて頂いた
オックスフォード大学のアシュモレアン博物館キュレーターDr. Lena Fritsch
帯文を書いて頂いた写真家の尾仲浩二さん
英語の苦手な私をずっとずっと支えて下さった荒谷真司さん
私の作品を静かに長く見守り支え続けてくれたTumblrのフォロワーの皆さん
そして、態度の良くなかった私に2017年から想いを伝え続けてくれて
詩集のような写真集を作り上げてくれたAlex
心から感謝しております。
あなたの写真は深瀬を彷彿させる
私の写真は、深瀬正久に似ているといわれることがある。
特に写真家を目指してこなかった私が深瀬氏の写真を知ったのは、
巻頭のDr. Lena Fritschのエッセイにも書いてあるように、
数年前Tumblrで「あなたの写真は深瀬を彷彿させる」と海外の方に言われ
それまで深瀬正久の写真を見たことがなかったのでネットで調べたらあの例のカラスの写真などが出てきた。
「おー私の写真に似ているではないか」と思った無知でお馬鹿な私をここに晒しておく。
私の写真にはなぜカラスが多いのだろうか。
それはきっと見上げればいつも太陽があるように、見上げればいつもカラスがいるから。
カラスはただ私の暮らす環境の一部に過ぎないし、私もただカラスの暮らしの一部に過ぎないだろう。
好きだ嫌いだとかそういったものではない、必然的な関係性とでも言うのだろうか。
日本ではあまり受けない写真
写真をTumblrに載せ始めて5年。
今フォロワーが約25000人いて世界中のPhotographerたちと繋がりあっている。
フォロワーは海外の方が多い。
海外の方の私の作品への反応が熱いのに対して、日本人の反応は薄い(正確には自分の周りの日本の方)
海外も日本も関係なく個々の好みの問題なのかもしれないけれど、
ただ私の写真を熱く支持してくれるのは圧倒的に海外の方が多いのは事実だ。
光りを明るく優しい光として表現した方が大多数には受ける。
けれど光りの裏にある影も表現したいし、光と影に漂う気配にもピントを合わせたい。
それが自分の感じる光である以上は。
世界は広い。
インターネットを通して自分の作品を海外へも発信し続ければ
世界の何処かで共鳴し合える素晴らしくクレイジーな出会いがあるかもしれない。
私がこの写真集を出すことが出来たように。
そう言えば、この写真集の翻訳者・片桐由賀さんは幼少期を、
私がいま住んでいてこの写真集の舞台となった小さな町「遠軽」で過ごしたという話しを聞いた。
やっぱり世界は狭い!
2015年~2019年に写したもの
この写真集は北海道に移住した2015年から2019年の間に撮った写真だ。
旅をして撮った写真ではなく、自分の家の周辺を撮り続けた。
雪が降るとスノーシューを履き時間を忘れて雪原を歩く(今も!)。
凍てつく寒さが広がり、
キツネが走り、窓は凍り、
朽ちていく小屋のトタンを風が鳴らし、
カラスは鳴き、猫は少しの探検へ。
そういった様々な出会いのなかで、私はシャッターを押す。
これからもきっと
良い日も悪い日も、雪のささやきを聴きに雪原を歩く。
冷えた空気の中、ささやきはよく響くのです。
追記、デザインのコンセプトはこのような感じだったようです。
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