芦川 聡 - Still Way -
- jille8jiji
- 2017年4月3日
- 読了時間: 2分
更新日:2020年10月12日
芦川 聡 Satoshi Ashikawa - Still Way (Wave Notation 2) † [1982]
名前だけは聞いたことがあったのだけど…友人に教えてもらい今回初めて聴いた。
一滴の静けさが和紙に垂れ 和紙で濾過された静寂が産毛を滑ってゆくような…
そんな聴き心地の良さが漂う。
「=波の記譜法 WAVE NOTATION=この波の記譜法は、
環境として成り立つ音楽のシリーズのつもりで始めた。
何げなく聞くための、音の風景とか音のオブジェといったらいいだろうか。
人を興奮させたり、別世界に導いたりするものではなく、
漂うように流れ、人の生活の風景になる。
言い方を変えれば、日常の中で、人間との密接な関係をつくる音楽だ。・・・
我々は、音楽以外の音を聞く態度をもっとしっかりもつべきだろう。
いま人間の許容能力をはるかに超えた音・音楽が環境に充満し、
音の生態系が崩れ去ろうとしている。
雰囲気作りをするはずのBGM でさえ過剰のように思える。
視覚的なデザインが大変よく施されている空間でも、
音のデザインはまったくされていないのが現状だ。
建築やインテリア、そして食料や大気などのような日常生活に欠かせない要素と同じレベルで、
音・音楽を考え直してみる必要があるだろう」
「クラシックにしろジャズ、ロックにしろ、メッセージを伝える音楽、
つまり音そのものを聞けないような音楽が多すぎる。
メッセージを聞きとるのに大変疲れてしまう。
そして、そのメッセージが実は大したものではない、という現状が背景としてあると思いますね。
メッセージを伝えたり、感動に包みこむのではなくて、
音そのもののあるプロセスを提示する。
で、聞き手はその過程の中で、発見をしたり何かに気が付いたりする。
メッセージの一方通行ではなくて、聞く方の想像性を必要とする音楽。
そういう考えは、西洋音楽の歴史の中ではラジカルな反逆なんだけれども、
そこで要求される聞き手の態度を考えると、
実は自然の音に耳を傾けるという音楽の原初的形態に非常に近いものでもあるんです」
(芦川聡 1982年)
Thank you! Dejan
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